地獄の原因は自分の心
地獄という言葉を私達は日常よく使いがちです。「今年の夏は地獄のような暑さだった」というような表現をする時に使う事もございます。地獄は仏教から来ている言葉です。私達は生前の行ないによって死後生まれ変わる世界が決まると仏教では考えています。これを六道輪廻と呼び地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間界、天界と呼ばれるいずれかの世界に行く運命になるのですが、地獄という世界は生前にとんでもない悪行を働いたにもかかわらず反省しない人が落ちる世界です。ここからも地獄とは死後の世界の話だと思われる方がほとんどかとお考えでしょう、しかしお大師様は次のような言葉を残されておられます。
「地獄は何(いず)れの処(ところ)にか在る。孰(いず)れか自心の中に観ん。」私達自身の心のあり方次第でその人の周りの環境を地獄にしてしまう,だからこそ心あり方に気を付けていかなければならないというお大師様お言葉です。人生の中で上手くいかないときは誰にでもあることですが、その時に周りの人や環境に原因を求めてしまいがちで中々自分自身に原因を探ろうとしません。しかしながら自身が抱えている問題の多くが自分にあることが多いのも事実です。
自分自身の問題点を改めて反省をすることで良縁が続き、新たな御縁も深まります。逆に人に原因を求めたり保身に走ると周りの人から冷たい目で見られまさに生き地獄を作ってしまいます。自身の身の振り方を振り返り何よりも心のあり方を真剣に考えることで地獄ではなく良縁を末永く続けていけるようにしていきましょう。